和菓子と洋菓子、こしあんと小倉あんの違い|菓子にまつわる知識を解説

和菓子と洋菓子、こしあんと小倉あんの違い|菓子にまつわる知識を解説

 

「和菓子と洋菓子の違い」について、ご存知ですか? また、こしあん、つぶあん、小倉あんやつぶしあんなど、あんこにはいくつもの種類がありますが、具体的に何が違うのでしょうか? 和菓子の世界には知っているようで知らない部分が数多くあります。そこでこのコラムでは、和菓子に関する知識のいくつかを丁寧に解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください。

和菓子と洋菓子って何が違うの?

ケーキやマドレーヌは洋菓子で、大福やようかんは和菓子、それは誰にとっても明確ですが、具体的に何が違うかを聞かれると、意外と説明できないことが多いのではないでしょうか?

洋菓子の特徴

洋菓子はケーキなどのように、バター、牛乳やチーズなどの乳製品、卵などの動物性脂肪を含む材料が多く使われます。そのため高カロリー、高脂肪の素材が多い特徴があります。また、凝固剤を使う際も動物性のゼラチンが多く使われています。香り付けなどの目的でシナモンやクローブなどの香辛料が使われるのも洋菓子の特徴です。

和菓子の特徴

伝統的な和菓子には動物性の材料を使うことはほとんどありません。凝固剤として寒天を代表とする海藻類を使うので食物繊維が豊富です。また、小豆や大豆を使うこともあって、洋菓子に比べると低カロリーで、香辛料を使うことも基本的にはありません。

絶対的な定義はない

上記であげたのは一般的な違いですが、現実的にははっきりした線引きがあるわけではありません。例えばカステラは、ポルトガルから伝えられたというイメージが強いですが、ポルトガルにカステラというお菓子はありません。カステラはポルトガル人が持ち込んだ南蛮菓子をヒントにして、日本人が生み出したものであるため、和菓子に分類されています。

近年では、どら焼きなどにバターを使う手法もありますし、積極的に生クリームやチョコレートなどの素材を取り入れているものもあり、原材料だけを見て和菓子と洋菓子を区別することはできません。

「和菓子」というカテゴリーができたのは明治になってから

ここまで挙げたのは和菓子と洋菓子の特徴ですが、実は「和菓子」という分類が必要になったのは明治になってからです。日本は明治以前にも外国との付き合いはありましたが、江戸幕府が行っていた鎖国制度をやめて積極的に海外に出かけ、情報の受け渡しを盛んに行うようになったことから、自国のものと他国のものを分ける必要が出てきました。

「和菓子」は日本人が長い年月をかけて育ててきた味であり、日本の風土に合った文化でもあります。新しい素材を取り入れたものも楽しみつつ、伝統的な味を堪能できるのが、和菓子の特徴といえるでしょう。

あんこにはこんなに種類がある!

つぶあん

つぶあんは小豆の皮が破れないように炊いたあんこです。小豆は炊き方に気を付けないと破れてしまうことが多いのですが、豆が躍らないように過熱することが、つぶあんを美味しく作るコツです。小豆の風味と旨味が味わえることが特徴で、大福、もなか、きんつば、どら焼きなどに多く使われます。

こしあん

こしあんは小豆を煮た後に裏ごしして皮を取り除いて作ります。裏ごししたことから来るなめらかな舌触りが特徴です。また、丁寧に作ったこしあんは、キメが細かく、独特の光沢を持ち、見た目にも美しいあんこです。

こしあんは赤福餅やもみじ饅頭、桜餅などに使われています。

つぶしあん

つぶしあんは、作るときに小豆が破れるように柔らかく炊いて練り上げたものです。つぶあんが持つような食感はないですが、こしあんにはない皮の持つ風味があるので、小豆の味をしっかり楽しめるあんこです。

小倉あん

小豆の中でもつぶが大きい「大納言」という種類を蜜に浸したものに、こしあんを混ぜ込んで作られたあんこです。京都にある小倉山の近辺で大納言小豆が多く収穫されていたことからその名前が付いたといわれています。

白あん

小豆ではなく、白いんげん豆や白ササゲ豆を素材として作るあんこで、つぶを残さずにこしあん状にするのが一般的製法です。色が白いので、栗を入れたり、味噌を入れたりしてバリエーションを作るときのベースにしやすいというメリットがあります。

小豆で作るあんと同様に食物繊維は豊富ですが、それ以外にカルシウムが多く含まれています。

うぐいすあん

青エンドウ豆を素材として作る緑色のあんこです。うぐいすが春を告げる鳥であることもあって、春の和菓子にしばしば用いられます。

まとめ

和菓子には長い歴史があり

 

和菓子には長い歴史があり、種類や製造方法なども豊富で、まだまだたくさんの面白さがあります。実際に和菓子を食べながら、あんこの違いや洋菓子との違いなどを味わってみるのも楽しいでしょう。

宮崎県にある「桐木神楽堂」では、多数の和菓子を製作し、皆さまのご来店をお待ちしております。当店の名物である大福や[特製]きんつば、栗万頭などの定番商品から、その季節ならではのおはぎや桜餅など、心のこもった和菓子をぜひご賞味ください。