よもぎ

独特の香り、鮮やかな緑、よもぎは昔から食用、薬草として人々の暮らしにとって重宝なものでした。食用としては早春の新芽をおひたしや汁物の具、天ぷらにしたり、餅に入れて草団子やよもぎ餅にして食べます。薬用としては灸に使うモグサはよもぎを乾燥させたもの。また止血止めや下痢止めなど外科的な使用のほかあせもなどの湿疹や入浴剤など多様面にわたり使用されていたそうです。信長の時代、鉄砲の火薬として使用されていた硝酸はよもぎと馬の尿で大量生産されていたそうです!まあ、なんと多才な植物なのでしょう。そのようなことから厄除けや魔除けの意味もあり5月の端午の節句では菖蒲とともにお風呂に入れたり鰯の頭とよもぎを表に吊るす風習があるのでしょう。

桐木神楽堂ではヨモギを使った和菓子をいくつか作っています。

まずは定番、看板商品の「くさ大福」。もち米と蒸したヨモギを杵でついて草餅にし粒あんを包みます。弾力のある草餅の食感とよもぎの香りに粒あんが絶妙にマッチした逸品です。

それから今の時期にお作りしている上生菓子によもぎを使った煉り切りがあります。柔らかい煉切によもぎの香り、「春風」と命名し春を感じられる上生菓子に仕上げています。

4月になるとかしわ餅を作ります。桐木神楽堂では粒あん・みそあん・こし餡の三種類のかしわ餅を毎年5月5日までお作りします。その中で「粒あんのかしわ餅」は草餅にして他の2種と区別をつけてお楽しみいただいています。

桐木神楽堂で使用しているよもぎはすべて高千穂の自然のもので、毎年春の若芽をつんで冷凍いパックしたものです。和菓子のよもぎ。どうぞ季節ならではの風味をお楽しみください。