上生菓子の材料は基本的に一年を通して同じようなものを使用しています。色や細工で季節を表しています。これは和菓子独特の表現方法だと思います。お料理でも洋菓子でも季節の食材や果物を取り入れることができるからです。和菓子でも柑橘類をはじめとする果物や桜の葉やヨモギなど植物を使用することもありますがごくわずかです。どちらかというと形や色で果物や野菜など季節を表すのです。それは和菓子が茶道に由来するものだからでしょう。あくまでもお茶に合う、ということが重要なポイントなのです!
上生菓子の生地について紹介したいと思います。
(桐木神楽堂のホームページの季節のお菓子のコーナーではお菓子の名前の後に~製と記していますがそのことです。)
①煉切製(ねりきり) 白餡に砂糖やつなぎとなる求肥や山芋などをいれて煉った生地のことです。この生地に色を付けて餡を包み成形します。一番成形しやすい生地です。
②金団(きんとん) 白餡に砂糖やつなぎとなる寒天などをいれて煉り、できた生地をふるいの目から濾し出して箸で餡の周りにふわりと着ける製法のものです。空気を含んでいてしっとりと柔らかい特性です。
③外郎(ういろう) 米粉にと砂糖を溶いて蒸気で蒸しあげ、薄くした生地を成形したり、餡を包んで成形して製造します。柔らかく弾力のある歯ごたえと透明感のある肌が特徴です。
④求肥(ぎゅうひ) 餅粉と砂糖を水を入れて練り上げた生地に餡を包み成形します。時間が経っても柔らかいのが特徴です。
夏季には錦玉などの寒天を使ったものができますがこれは次回にいたします。